2024/09/05 09:12
ビンテージTシャツを着る芸能人が増えたことをきっかけに、市場ではその需要が高まる一方だそうです。愛好家は一枚のTシャツに何十万円も費やすそうですね。 ひとたび世界に目を向ければ、桁違いの価格で落札されたビンテージTシャツが数多く存在します。 ・ビートルズの楽曲RevolutionとNikeのコラボTシャツ $50,000(750万円) ・UNICEF 1996年オリンピックTシャツ $42,000(630万円) ・キースへリングのシルクスクリーンTシャツ$25,000(375万円) ・ビートルズのブッチャーカバーアルバムTシャツ $20,000(300万円) ・ジョン・レノンの「HOME」 Tシャツ $16,400(246万円) ・Run DMCとAdidasのコラボTシャツ $13,000(195万円) ・マリリン・マンソン1992年グラフィックTシャツ $11,111(166万円) ・レッド・ツェッペリン1979年英国ネブワースでのライブT $10,000(150万円) ※1ドル=150円で計算
HOMEとは、N.Y.にあったヒッピーレストランの名前。ジョン・レノンが着ているのは、そのレストランのロゴTシャツです。
HOME restaurantとは、1969年にマンハッタンで誕生したレストラン。エキセントリックなジュークボックスと自然派メニューを取り揃えた、立ち食い形式のレストランだったそうです。ジョン・レノンをはじめ、デヴィッド・ボウイ、アリス・クーパー、エルトン・ジョン、リッチー・ヘヴンスなどの著名人が常連として名を連ね、1970年代にはヒッピー文化を代表する場所となりました。
このTシャツは1972年にオーナー夫妻によって制作され、ジョン・レノンが1972年リリースのアルバム ”Sometime In New York City” で着用したことで、一躍有名となりました。その後も、ジョンはコンサート、TV番組、家庭などいたるところで着ている場面を撮影されています。よほどお気に入りだったのですね。
このHOME Tシャツには、”Solidarity Fist” と呼ばれるバージョンもあります。これは「ブラックパンサー党」の支持を意味しています。ジョン・レノンがデザインに関わり、マディソンスクエアガーデンで行われたコンサートのリハーサルで着ていたことでも有名です。
※ブラックパンサー党:60年代から70年代にかけて、アメリカで黒人民族主義運動・黒人解放闘争を展開していた政治組織
「HOME」Tシャツ一枚をとってみても、これだけの時代背景と物語を背負っているのですね。ビンテージTシャツが多くの愛好家の心を惹きつけるのも当然です。ただ、愛好家が所有する一枚一枚についてうんちくを語れるのかどうか…気になるところです。
さて、このTシャツ。246万円で落札されたのはオリジナル版で、正真正銘のビンテージですが、このデザインは世界中でレプリカが多く出回っており、日本国内でも気軽に入手することができます。
本物志向の方は、HOMEのサイトからも直接購入可能です(約9,000円)。
ビンテージTシャツにはとても手が届きませんが、今年の夏はレプリカの「HOME」Tシャツを着て、ジョン・レノンが生きた70年代を感じてみたいものです。