2023/02/14 16:57

前回の記事で、Tシャツ一枚を製造するのにも、大量の水を使う、環境汚染、健康被害、労働搾取、二酸化炭素排出と、環境や人に対したくさんの負荷がかかっていることをお話ししました。
現在は、1990年に比べて衣類の生産量が増えているのに対して、一着当たりの値段が安くなっています。これは、ファストファッションに代表されるように、私たち消費者が安い服を買って使い捨てているということを意味します。
環境省の調査では、一人が一年間で買う服が18枚、手放す服が12枚、一度も着ない服が25枚もあるそうです。そして、着ない服が大量のごみとして排出されているのです。
ここでTシャツに目を戻してみます。TARROW TOKYOの調査によると、一人当たりのTシャツの所持枚数は平均9枚(調査の中で最も多かった人は60枚)。一年間に3枚買って2枚捨てているといいます。また、7割の人がTシャツを着用年数3年未満で捨てる、2割の人は1シーズン着たら捨てると回答しました。
手放された服はどこへ行くのでしょうか?環境省によると、手放した服がリユース・リサイクルされるのは34%で、66%が焼却・埋め立てされているといいます。これは、毎日トラック130台分の服が焼却・埋め立てされているという計算です。
多くの環境負荷をかけて作られた服が使い捨てられている…。この現状はとても深刻です。
企業や消費者は今すぐにでも、「大量に作る→大量に買う→大量に捨てる」というサイクルを止めて、「適量を生産→必要な量を購入→着なくなった服を循環させる」というシステムに変えていく必要があります。
そこで私たち消費者ができることは、
1. 縁あって手元に来た服を大切に長く使う
2. 商品の作られ方を見て環境に負荷の少ない服を選ぶ
3. 着なくなった服をリユース・リサイクルして循環させる
4. 消費者として声を上げる
ということです。
洋服を一年でも長く着ましょう。それだけで環境負荷は減らせます。大事にメンテナンスしながら、長く着られる工夫をしましょう。素材に合った方法で洗濯することも大切です。買うときは、本当に必要かを考え、長く着られる素材を選びましょう。
商品の作られ方を見ることも大切。オーガニックコットン、再生素材、フェアトレードのものを選ぶことが、環境負荷を下げることにつながります。
着なくなったものは人に譲ったり、資源回収に出す。傷んだり破れたりして着られないものは雑巾にするなどして、最後まで使うことです。
この問題は、消費者だけでなく企業の取り組みも絶対に必要ですが、消費者が動けば企業も動きます。きっと未来は変えられます。
上記4つの取り組みについては、別の記事でそれぞれ詳しく説明したいと思います。