2023/02/14 17:23
今までの記事で、
・Tシャツ一枚を作るのにも環境負荷がかかっている
・少しでも負荷を減らすために、縁あって手元に来たTシャツを長く着よう
とお伝えしました。
今回は、Tシャツ選びのお話です。新たにTシャツを買うときにも、少しでも環境負荷の小さいものを選びたいものです。
環境省では、「衣服の作られ方をしっかり見よう」と呼び掛けています。
どういうことかというと、ラベルを見たり店員さんに聞いたりして、素材や生産ルートを確認するということです。
「環境負荷の低いTシャツ」を選ぶならば、
・オーガニックコットン
・再生コットン
この2つを基準にしたいものです。
この記事では、ひとつめの「オーガニックコットン」についてご紹介します。
<オーガニックコットンってなに?>
「有機栽培」のコットンのこと。農薬や化学肥料を3年以上使っていない農場で栽培し、紡績から染色に至るまで化学薬品を使いません。
コットンは農作物のなかで最も水や化学薬品を使用する植物ですが、オーガニックコットンは使用する水と薬品の量が抑えられることで、一般のコットン製品と比べて、環境負荷を80%も減らすことができると言われています。
コットン生産農家の平均寿命は35歳だそうです。重労働と農薬により、長く生きられないのです。日本ではまず考えられない状況です。コットン生産農家の置かれている環境がどれだけ過酷なものか、想像できると思います。
水と薬品だけではありません。オーガニックコットンは、生産に関わる人々の健康に配慮し、生活水準が上がるよう助け、強制労働・児童労働・搾取をしない、「フェアトレード」で取引されています。
私たちは、オーガニックコットンを選ぶことで、地球環境を守るだけでなく、生産に関わる人々の暮らしといのちを守る手助けができるのです。
<オーガニックコットンだとどうやったら分かるの?>
国際的には、GOTS (Global Organic Textile Standard) 、OCS (Organic Content Standard) といった認証がありますので、認証ラベルをチェックしましょう。日本では、日本オーガニックコットン流通機構による「NOCコットン基準」というものがあります。
日本では、認証を受けていなくても「オーガニックコットン」と名乗れるため、GOTSやOCSといった認証ラベルを確認するようにしましょう。
<オーガニックコットンのデメリットは?>
まず、「数が少ない」こと。オーガニックコットンは大量生産ができないので、コットン製品全体のうち、たった2%未満と言われています。
また、「価格が高い」ことです。搾取のない公正な価格で取引されているため、どうしても価格が上がってしまいます。
<それでもやっぱりオーガニックコットンを選ぼう>
オーガニックコットンは高い。でも言い換えれば、生産にかかわる人たちに配慮がなされ、搾取が行われていないことを意味します。
私たちは自由にTシャツが買えるような豊かな環境に暮らしています。こんなに恵まれた生活をしている私たちが、遠い国の生産者が、寿命35年しか生きられないような過酷な環境で作ってくれたTシャツを安く買い叩いているのは、あまりにも不公平だと思いませんか?
高くても、オーガニックコットンのTシャツを着ることで、遠い国の生産者が健康で、人として当たり前の生活水準で心豊かに暮らせるようにサポートしていると思えば、やはりオーガニックコットンを選びたい。多くの人がそのように考えてくれることを願うばかりです。
そして、高いからこそ、愛着を持って大切に長く着ることで、さらに環境負荷を下げていく。
こういったプラスのサイクルができれば、地球はもっと公平で豊かな場所になると思うのです。