2023/09/28 10:22
本を読んでいて、“Been there, done that, bought the t-shirt.”というフレーズを初めて知りました。 直訳すれば、「行ったことがある、やったことがある、Tシャツを買ってきた」。一体どういう意味なのでしょうか。 辞書を引いてみると、 ・あるものごとに対して多くの経験がある、詳しい知識がある ・十分に経験しすぎて飽き飽きしているという皮肉 ・言われた事柄に対して自分もうんざりするほど同じ経験をしている ・BTDTGTTSと訳すことも可能 と定義されています。つまり、 「お土産にTシャツまで買ってきたぐらい、嫌というほど経験済みだ」 「そんなもの、とっくにやっているのでもう必要ない」 という、ちょっとネガティブな意味になります。 例えば、 「新しいダイエット方法は一通り試してみたけど、効果が出たためしがないわ」 「また新しいしわ取りクリームが発売されたね」 「もう一度子供のころに戻りたいと思わない?」 などと言われたら、 “Been there, done that, got the t-shirt.(十分経験済みだからもういいわ)”と答えることができます。 このフレーズについて調べていると、なかなか興味深いことが分かりました。 ”Been there, done that.(行ったことがある、やったことがある)” は、1979年ごろにオーストラリアで生まれて世界中に広がったフレーズで、そこから20年ちょっとかけて ”bought (got) the t-shirt(Tシャツまで買っちゃった)” と付け加えられるようになったそうです。その後、このフレーズは歌詞や小説などに多く登場するようになります。 日本では、旅行のお土産にTシャツを買うことがあまりないのでピンときませんが、Tシャツがお土産の定番である海外では、共感できるフレーズなのでしょうね。もしこのフレーズが日本にもあれば、「行ったことがある、やったことがある、温泉まんじゅうまで買ってきたよ」となるかもしれません。 ちなみに、言葉が変化していくのは世の常で、その「買ったTシャツ」にもどんどん尾びれがついていき、 “Been there, done that, bought the t-shirt and wore it out.” (行ったことがあるし、やったことがあるし、買ったTシャツはもうボロボロだ) “Been there, done that, got the drawerful of t-shirt.” (行ったことがあるし、やったことがあるし、買ったTシャツは引き出しにいっぱい) "Been there, done that, got the t-shirt, worn a hole in it and now use it as a duster." (行ったことがあるし、やったことがあるし、買ったTシャツには穴が開いて今は雑巾にしている) といった形に変わっていきます。うんざり度合いの高さが伝わってきますね。 Been there, done that, got the t-shirtと書かれたTシャツがたくさん販売されていることからも、このフレーズが市民権を得ていることが分かります。そんな中、クスっと笑ってしまったのがこちら。”Been There, Done That, This is the T-shirt(行ったことがあるし、やったことがあるし、これがそのTシャツだよ)”。 あなたにとって、”Been there, done that, bought the t-shirt!(うんざりするほど経験した!)” と言いたくなることはなんですか?私はずばり、この夏の暑さです。