2024/04/08 17:47
群ようこさんの本が大好きです。 最近、群さんのエッセイ「よれよれ肉体百科(文春文庫)」を読みました。出版当時61歳の群ようこさんや周辺の人々が経験している「肉体の衰え」がコミカルに描かれていて、クスクス笑いが止まりませんでした(外出先では絶対に読めない自信あり)。 この本で、男性用の「筋肉パッド付きTシャツ」なるものがあることを知りました。 肩、胸板、腹筋の部分に厚さ30mmのパッドがついているインナーTシャツで、これを着た上からTシャツやシャツを羽織れば、筋肉がついているように見えるというもの。辛いトレーニングをしなくてもムキムキに見せることができる、面倒くさがりの男性には夢のようなTシャツです。 「そんなものがあるのか!」と初耳だった私は、野次馬根性で早速検索してみました。 あったあった、ありました。楽天に。その名も、「シークレットマッチョインナー」。 着るだけ!マッチョBODY即変身!! たくましい腕、厚い胸板、割れた腹筋、着るだけで理想のボディーになれるアイテム とのコピーが目を惹きます。
サイズはXSからXLまであり、XSは売り切れでした。小柄な男性ほどマッチョに憧れるのかしら。それとも、ゆったりサイズで着て服の下でパッドが動いたらおかしなことになるので、より小さめでフィットするサイズが選ばれているのかも。
バリエーションは、ランニング、5分袖、半袖の3種類があり、それぞれパッドが入っている部分が異なります。写真は半袖タイプです。なんだか…白いスーパーマンみたい。
実際にこれを着て、上にアウターを重ねたらどんな風に見えるのかなぁ。
気になるお値段は、ランニング3,980円、5分袖4,280円、半袖4,580円です。なかなかいいお値段しますな。
今はスキンケアやお化粧をする男性も増えていると聞きますが、筋肉も詐称する時代になったのですね。
それ以外にも、余興やパフォーマンス、ハロウィーンのコスプレで着るという「笑いのネタ」としてのニーズもあるのかもしれません。
ガチの詐称か笑いのネタかはともかく、『着ているときはEXLIEだが、脱いだとたんにアンガールズというのでは、あまりに虚しすぎる。』という群さんのコメントに笑いながら何度も頷いたところで、はっとしました。
私だって他人のことを笑えないじゃないか!
若い頃はアイプチで一重まぶたを二重に偽装したり(虚しくなってやめた)、急に増えてきたシミにコンシーラーを塗りつけて隠そうと試みたり(無駄と分かってやめた)、目の下のたるみを眼鏡でごまかしたりと(けっこう使える)、日々、虚構を演じているのです。
誰でも自分の肉体を少しでも実力以上に見せたいもの。「あるがままの自分を愛そう」と言うのは簡単ですが、その境地に達するのは至難の業です。
私もコンプレックスだらけの肉体ですが、群ようこさんの身体の変化に対する大らかな向き合い方をお手本に、無理して自分でないものになろうとせず、大らかに歳を重ねて、その時代、その時代の自分を表現して生きていきたいと思っています。